ハマリにハマっている会員制の肉料理屋、焼かない焼き肉屋こと29ONさん。
以前もレポートした西新宿本店と池袋店に続いて、表参道店にもお邪魔してきました。
この日のメニューはこんな感じ。
全ての料理に東京産の食材を1種類以上使用したという、なかなかに珍しいこだわり方をした回でした。
前菜は、東京産カリフラワーと東京産ブロッコリーのスープ。
カリフラワーのポタージュ風で、とってもまろやかで美味しいです。ブラックペッパーとオリーブオイルのアクセントが絶妙。
他の店舗では最初のスープから何かしらの肉が必ず入っているんですが、表参道店ではあまりそこにはこだわってはいないようです。
東京産の野菜というとなかなかイメージは沸きづらいですが、適度な甘さもあってとても美味しいです。
ちなみに、自分の実家は西東京の方にあるので、近くには畑もちょこちょこあるんですが、直売所などで野菜を買ったことがなかったんですよね。ちょっともったいないことをした気がするので、次に実家に帰った時には買って帰るのもアリかも。
お次は、東京湾で獲れたスズキのフライ。
身は柔らかくて、淡泊ながらも臭みもほとんどなく美味しいです。
バルサミコ酢のソースを絡めて口に入れると、程よい酸味と香りがスズキを包み込んでくれます。
また、パラパラとかけられている白い粉は、タピオカの原料であるキャッサバから作られたものだそうです。粉チーズかと思って口に入れたら、全くチーズの味がしなかったので、面食らいました。。
メイン料理1つ目。練馬大根と東京産ポーク。
練馬大根は有名ですが、東京で豚なんか育ててるんだ……という驚きがまずあります。東京Xというブランド名が付けられているそうです。
支配人さん曰く、とても質がいい肉とのことだったので、期待して口に入れてみます。脂がとっても甘くて、これだけ脂身があるのに全くしつこくなく、赤身もジューシー。低温調理によって、それら全てが流れ出ずにしっかり閉じ込められています。これは本当に美味しい!!
お世辞抜きで、今まで食べてきた豚肉の中でもトップクラスに美味しいです。こんな素晴らしい豚が都内で育てられていたなんて……感動しました。
トリュフとマデーラのソースは、東京Xとベストマッチング。肉の甘さと旨味に芳醇な香りが加えられたら、笑顔で唸ることしかできません。
コンソメスープに沈められた練馬大根も、甘さがあって美味しいです。豚と一緒に食べると、フレンチ風ブリ大根のような感覚で頂くことができます。
この東京Xに合わせる日本酒は、頒布会でしか手に入らないという、市販されていない激レアなものを頂きました。
すっきりとした飲み口で、適度な甘さもあるので、東京Xには相性バツグンでした。
この辺で酔いが回ってきました。。。
メインその2。東京産軍鶏肉のグリルと奥多摩の温泉卵。
東京軍鶏は腿肉と胸肉の2種類。特製ソースに浮かべられた温泉卵を絡めて頂きます。
奥多摩町には2回ほど行ったことがあるんですが、ほぼ山と川しかないような、東京都だとはとても思えないくらいめちゃくちゃド田舎なので、きっと軍鶏も元気よく育つんじゃないかなぁ……と勝手に想像しながら食べました。
脂身は少なめで、あっさりと頂けます。柔らかくも適度な歯ごたえがあって、飽きがこない味です。
卵は濃厚でとても美味。軍鶏肉とは親子なので、当然の相性でした。
メインその3。東京ビーフのランプ。
牛まで東京で育てられていたとは……
ランプは脂身がほとんどない赤身肉ですが、肉質がいいのか、低温調理がいいのか、とても柔らかでジューシーに仕上がっています。美味し。
添え物の野菜も全部美味しい。これらは東京産とは言っていなかったので他県産かもしれませんが、どれも質の高い高級品を使っているようです。特に白菜のクリーム煮が最高で、お肉と一緒に食べると、更にとろけさせてくれます。
ここで一緒に飲んだお酒が、福井県の名酒、満寿泉の純米大吟醸。
ラベルは完全にワイン……でもれっきとした日本酒です。
こいつがとっっっても美味しい!!味や香りや口当たりのバランスは、今年飲んだ日本酒の中ではナンバーワンです。
市販されているものも調べてみましたが、純米大吟醸なのでやはりそれなりのお値段はします。が、味も見た目も、これは酒好きの人へのプレゼントとしてはとてもよさそうな代物です。
〆のご飯は、インディカ米とホタテのリゾット。
香りのいいインディカ米・香りのいいホタテ・香りのいいチーズ。この三種の神食材が揃ってしまったら、誰も適いません。すんごい美味しいです。
食べ終わってしまうのが惜しくて、少量ずつちまちまと食べてしまうんですが、それでも十分すぎるくらいにいい香りが口と鼻に充満してくれます。
なんて豪華なご飯なんでしょう……完璧な〆でした。
と思いきや、まだ終わりじゃないんですよね。デザートは東京苺。
これがまた本当に美味しい。満足に満足を重ねてきます。29ONさんはパティシエまで雇ってるんでしょうか。
コース料理を食べ終わった後はさっぱりと終わりたいのが常なんですが、求めているさっぱり感は苺の酸味とシャーベットの冷たさで表現されており、さらにそこに絶妙な甘さのゼリーが加わり、至福の味です。
最後の最後まで飽きさせないのが29ONさんの素晴らしいところ。
デザートと一緒に、デザートワインならぬデザート日本酒も頂きました。
一ノ蔵のMadenaというお酒。
日本酒と言われなければ日本酒だとは思わない味と香りです。ほぼほぼデザートワイン。
でも原料はしっかりとお米と麹だけなんですよね……どうやったらこんな味が出せるんでしょう……
表参道店は他の店舗とは異なり、肉を前面に出すというよりは、コンセプトと華麗さを重視した、とてもおしゃれに洗練されたお店でした。そして、全体的にお酒のレベルが1段上です。
店内はバーのように少し照明が落とされており、雰囲気も醸し出されています。
少し贅沢かつおしゃれに美味しい肉を食べたい場合は、とてもいいですね。デートなんかにも最高だと思います。
(追記) 代官山店にも訪問しました。→こちら