先日、仙台に出張に行ってきたので、ついでに美味しいものをたくさん食べてきました。
仙台名物の筆頭といえば牛タンですが、敢えて牛タン以外でとても印象に残ったお店をご紹介します。
こちらも仙台名物であるせり鍋の発祥と言われるお店、「居酒屋 侘び助」さんです。
人の多い国分町の中心地から少し離れた、ひっそりとしたところにお店を構えています。とてもいい雰囲気。
仙台出身のサンドウィッチマンなどなど、多くの芸能人が足繁く通う名店としても知られています。
たまたまこの日に入っていた別の予約が当日キャンセルされたそうで、伺うことができました。とても運がよかった!
せり鍋を待つ間、まずは刺身の盛り合わせを注文。
いやいや、せり鍋を "待つ間" と言いましたが、こんな豪華なものが出てくるとは……
特にタコは大将のこだわりの茹で方をされているとのことで、何も付けずとも噛めば噛むほど味が染み出てきました。
マグロは赤身と中トロの中間あたりで、とっても舌触りがよく本当に美味しい。
ウニも全く臭みがなく、かつ甘みが口中にぶわぁーっと広がります。
タイも貝もとっても新鮮で、ものすごくレベルの高い刺し盛でした。1皿目から最高。
そしてお待ちかね、本番のせり鍋です。
盛り付けがとにかく美しい!壮観!!
一番手前に鴨肉が並べられており、そこから奥に、せりの根→葉→茎の順に盛られています。
そしてここで女将さんが登場。せり鍋へのこだわりや、色んな芸能人がお店に来た際のエピソード、せり鍋を出している他のお店のディス(!)などのお話しをして頂きながら、せり鍋を作って頂きました。
女将さん語録のごく一部↓
・うちのせりの根はね、ひげを歯ブラシで5時間かけて磨いて仕込んでるんですよ。
・V6の長野くんがうちの店をブログで紹介してくれてから、たくさん人が来てくれるようになったんです。
・他のお店はね、きちんとせりを仕込まないから苦味が残って、ほかの具材でごまかしたりしてるけど、うちは自信があるからせりと鴨肉だけ。
そんなこんなで出来上がったのがこちら。
まずは根っこから口へ。苦味は全くなく、すこしゆり根のような食感。ひげを5時間かけて歯ブラシで洗っているだけあって、雑味も全くなし。美味い。
次は茎を口へ。根っこよりも少し柔らかく、甘みが出てくる。美味い。
そして葉を口へ。柔らかくて、鍋の出汁が染みた旨味が深い。美味い。
ここで鴨を口へ。脂身は少ないけど柔らかく、いい出汁を出しているんだろうなぁと感じる味。美味い。
そしてもう一度根っこを口へ。あれ?さっきより美味く感じる。どの部位よりも根っこが一番美味い。あとめっちゃ身体に良さそうな味がする。なんだこれ!
最後にスープを口へ。鴨の旨味とせりの香りが溶け出していて、めちゃくちゃ美味い!!やられた!!!
そんな素晴らしいせり鍋の〆その1はうどん。
秋田の稲庭うどんを使っているとのこと。秋田は近いので、仙台市内でも稲庭うどんのお店はよく見かけますしね。
あれだけ美味い出汁が出ていた鍋なので、うどんを入れたって当然美味いです。これ以上何も言うことはありません。本当にただただ美味い。
〆も女将さんが作ってくれます。
そうして作ってくれた〆その2は雑炊。
ゴマの香りが強い特製のラー油をかけて頂くんですが、これがまた鴨せり出汁との相性がバツグンで、最高という言葉しか言えない……
敢えて水分を飛ばし、雑炊というよりはおじやの状態にしてくれたんですが、この方が旨味が凝縮された感じがします。
素材にも作り方にも極限までこだわるのが名店ならでは。
せり鍋を堪能しながら、他のおつまみも頂いていました。
特に興味を惹いたのが、仙台の郷土珍味、バクライです。
ホヤとコノワタの塩辛らしいです。ホヤが機雷に形が似てることから、爆雷⇒バクライという名前になったとか。
恐らくこれも店や鮮度によっては味が大きく落ちそうな代物なんですが、やはりこの侘び助さんのバクライは絶品。
鮮度がバツグンなので、臭みはほぼなく、日本酒がすすみにすすみます。
というわけで日本酒をば。
徳利もお猪口もとてもきれい!きちんとした工芸品です。
美味しい料理を食べ、美しい工芸品を鑑賞しながら、飲む美味しいお酒。
最高のひと時でした。
女将さん曰く、このお店は通常は2週間前には予約がいっぱいになり、せり鍋の時季の週末になると、1~2か月前にはキャンセル待ちとなってしまうほど、大人気のお店だそうです。
予約なしで伺ったのにも関わらず、たまたま美味しいせり鍋を頂けたのは、本当の本当にラッキーでした。
次に仙台に行く際には、しっかり予約してから再訪したいと思います。